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活動情報

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2 0 0 3 年を迎えて


  今年は、私たち法律家にとっては、重要な年になりそうです。
  それは、昨今議論されている「司法改革」がいよいよ正念場を迎えそうだからです。

  刑事裁判における日本型陪審制とも言うべき「裁判員制度」の導入や、法曹(裁判官、検察官、弁護士)養成について、従来の、最高裁判所管理の下に行われた司法研修所スタイルから、地方分権・市民参加の法曹要請を可能とするロースクール制度への転換など、司法への市民参加を軸とする画期的な転換が模索されているのですが、「司法改革」といっても、圧倒的になじみの薄い方が多いのが現実かもしれません。

  昨年の暮れ、私は、弁護士会で(第二東京弁護士会)、とある小学校6年生たちの裁判傍聴のつきそいを担当させられ、一緒に刑事の裁判を傍聴したのですが、傍聴後、とある小学生から、「三権分立というのを今、学校で学んでます。裁判官も、最終的には国民のチェックを受けるべく、国会による弾劾裁判がある、というのを学びました。ところで、弁護士は、誰からどのようなチェックを受けるのですか?」との質問を受けました。私は、この質問には、弁護士といえども、何らかの形で国民、市民によるチェック、批判を受けるべきとの含意があるように感じたので、「これまで、弁護士は、弁護士会自治をたてまえに、すなわち弁護士会に国家権力が介入しないように、ということなのですが、弁護士の不正については、弁護士会による懲戒、チェックを受けるのみとされてきました。しかし、そういう時代ではありません。弁護士といえども、民の批判、チェックを受けないわけにはまいりません。現在、懲戒手続に市民が参加できる方策を、模索しているところです。」と回答しました。

  現に、弁護士会では、懲戒手続に対して、市民が参加できる方策を講じつつあります。しかしながら、その規模は未だ小さいものですし、そもそも懲戒手続に外部の参入を認めること自体、弁護士会自治を破壊するといった時代錯誤的な反論を繰り返す弁護士も少なからず存在するのも実情です。

  私は、先の小学生の質問に、感動を覚えずにはいられませんでした。頑迷に「司法改革」に対して後ろ向きの姿勢を示す古い法律家たちよりも、素直で、民主主義的で、未来的な感覚を感じたからです。

  私は、弁護士会の懲戒手続も含めて、もっと大胆に司法への市民参加の方策を講じるべきだと考えています。ヨーロッパでは、EUへの統合等、重要な政治問題での国民直接投票は今や常識ですし、我が国においても、各所において市民の直接参加が模索されるべきです。この点、市民の司法への参加に対して消極的意向を示す人々には、どこか、国民蔑視、市民蔑視のエリート意識を感ぜずにはいられませんが、時代は、そのような旧弊なエリート意識を葬りつつあるように思います。

  そんなわけで、「司法改革」がどのような方向に向かうのか、是非、多くの方々に関心をもっていただきたいと思います。
 
2 0 0 3 年 1 月
石 井 逸 郎

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